1991年の『群馬県史』において既に紹介されていましたが、復
刻した「社会問題資料研究会」編の「昭和七年一月〜六月社会
運動情勢」となっていて、資料的価値が指摘されていませんで
した。今回、本資料の載る「昭和七年一月〜六月社会運動情勢」
が司法省刑事局が極秘に編集・発行していた『思想研究資料』
第27号に当たることを明確にしました。これは昭和8年4月発行
ですが、復刻にあたって渡部徹氏は「現代史資料として第一級
の意義」をもつと指摘しています。本文「菊地敏清」は「菊池」の
誤りですが、本資料は「奪還事件」の起点となった講師3人の検
束を公的に認定した資料として、重要な意義をもちます。